コスタリカ
現地レポート2019❸ コスタリカ人と日本人の性格の違いは?
2019.1.24
コスタリカ・スタディ・ツアーの2日目。早朝に自然保護区にあるホテルを出発して北部のニカラグアとの国境地帯へ。現地まで車で2時間かかるので、ガイドの「ケンちゃん」こと小林ケン君にさまざま質問しました。
「プーラ・ビーダ」と「パシエンシア」
まず「コスタリカ人の性格、日本人との違いは?」と聞きました。彼はお父さんが日本人、お母さんがコスタリカ人で、日本とコスタリカの両方を知る立場です。
彼が最初に挙げたのが時間の観念でした。「約束の30分遅れがコスタリカでは当たり前です」と。まあ、これはコスタリカと言うよりもラテン系の国すべてであてはまることです。日本の考え方からすればマイナスのイメージですが、そうでもないと彼は言います。
そのうえで彼が語ったのが「プーラ・ビーダ」という言葉でした。「おはよう、こんにちは」などの挨拶言葉で使われており、日本語に訳せば「純粋な人生」を意味します。これがコスタリカ人を表わしているとケンちゃんは言います。すなわち……毎日を大切に過ごす、楽しむときは楽しみ、せかせかせずにゆるやかで、おおらかな落ち着いた暮らしを表わすのがこの言葉です。
もう一つは「パシエンシア」(忍耐)。用事で誰かを訪ねたとき、用事を済ませただけで帰るのは礼儀知らずだとコスタリカでは受け取られます。「用事にしか興味がないのでなく、あなたに興味があるという意志表示のためにも、相手との対話を辛抱強く行うことを大切にする、というのです。
また、コスタリカ人は自分の思いを相手にぶつけます。そして相手の思いも最後までとことん聞きます。お互いに納得し合うまで話し合います。
最後に挙げたのが「コスタリカは人権を大切にしている」ことでした。「この世で大切でない人間は一人もいません。移民にも生きる権利があります。彼らが人間として生きることをコスタリカは保障します」「私の給料の10%は保険料に使われます。このため医療はガンの手術も含めすべて無料です。自分だけのためでなく他の人の健康も保証しています」と言い、こんな例を挙げました。
バスでたまたま横に座った人が重病の患者で、薬代が毎日100ドル以上、つまり1万円以上もかかっていた人でした。そのカネを払わなくていい彼は「あなた方のおかげで私は生きることができます」とケンちゃんに言いました。ケンちゃんはうれしかったそうです。
ボートに乗って国境地帯へ
とまあ、こんな話を聞いているうちに国境地帯に着きました。ボートに乗って川に乗り出します。サギや鵜などの鳥がそこらにいます。両岸の樹の枝にはイグアナがとまっています。ナマケモノの親子もいました。お母さんナマケモノが木の枝に寝そべり、その傍らで体長20センチほどの生後間もない赤ん坊が枝を伝って登ろうと短い手足をモソモソと動かしてしています。「世界で最も美しい蝶」と言われるモルフォ蝶が水面を飛び交い、「世界で最も美しいトカゲ」と呼ばれるエメラルド・バシリスクが水面近くの枝にいます。
ボートを降りると、自然保護区で珍しいカエルやハチドリを観察し、庭に育っているカカオの実からチョコレートを作る過程を見学しました。もちろん、その場で試食です。「100%チョコレート」と、女性のクリスタルさんが微笑みます。手作りのチョコレートは……実際おいしかった。
明日は国会や、国民に民主主義教育をしている選挙最高裁判所を訪問します。今日のニュースで、英国の機関による世界の国の民主主義の度合いの調査が載っていました。コスタリカは「完全民主主義」に入っています。「欠陥民主主義」と指摘された日本との違いをしっかり見てとりましょう。