ジャーナリズム
朝日新聞はだれに信頼されたいのか?
2015.3.23
朝日新聞社は4月1日付けで「パブリック・エディター」制度を発足させると発表しました。信頼回復のため報道に社外の声を反映させるということですが、その顔ぶれを見ると、新潮社の編集長やNHKのOBで外務省の元広報官とタレントです。ことあるごとに朝日新聞を不当に非難してきた新潮社や自民党べったりのNHK人脈、そしてタレントに編集の指示を仰ぐなんて、朝日新聞の身売り、ジャーナリズムの放棄だと思います。NHKや新潮、自民党路線の傘下に入るのが新生朝日新聞のコンセプトなのでしょうか。
なぜ、わざわざそんな人々をかつぐのでしょう。これだと朝日新聞の評判を地に落とした社長のあとを引き継いだ今の首脳陣は、朝日新聞を立て直すという名目で政権に屈服することになります。ジャーナリズム精神を自らなくすことにつながります。読者への信頼回復ではなく、安倍首相に信頼されようとしています。
「ともに考え、ともにつくるメディア」をめざす、と言いますが、いったいだれとともに考え、だれとともに新聞をつくるのでしょうか。国民ではなく、権力者の傘下に入るのがジャーナリズムのめざすことでしょうか。「国民と共に起たん」と朝日新聞が宣言したのは1945年の敗戦直後でした。それから70年。戦前の朝日が軍部に追随した道を再びたどるべきではありません。